研修を語る
2024/07/18更新
上級管理職研修を語る
経営者は上級管理職(部長)に"本気"を要求
経営戦略の見直しが待ったなしになっている今、上級管理職(※以下「部長」と表記)の強化が求められています。
経営者は部長に対して、
- 「国内マーケットの縮小に全能を賭けて対処しているのか?」
- 「ビジネスモデルを変える努力はしているのか?」 「グローバル化に真に対応する気はあるのか?」
のように、職務に対する"本気"を要求しています。
人事・研修部門が強い部長(=経営の代行者)を作る
かたや管理職の多くは、それは経営者の仕事だと捉えています。そこで、その間に立つ人事・研修部門は、両者のギャップを埋め、どんな状況でも戦える経営人材を作り上げていくことが必要になってくるのです。
インソースが考える部長の仕事
弊社は、部長の主たる仕事を以下の4つであると考えています。
- ①リスク管理
全社的な影響を及ぼすリスク を認識し、対策を練る - ②業務拡大・業務改善
経営環境に関わらず前年比3割増以上の成果を出す - ③新しい事・変革
年に一つは、全社にとって価値ある新しい事を生み出す - ④組織デザイン
勝ち続けるための、計算された組織編成・人材育成を行う
部長のリスク管理~全社的な影響を及ぼすリスクを認識し、対策を練る
《社会的責任を果たさないと組織は存続できない》
部長(上級管理職※以下全て「部長」と表記します)には、経営者と同じ目線を持ち、経営者に見えていないリスクをも発見し、冷静に対処できることが求められます。その中でも、特に部長に求められるリスク管理は、自組織が社会的責任(消費者・取引先・地域・株主・従業員などに対して果たすべき責任)を踏まえた行動をとっているかどうかを監督することです。
《部長の判断軸 ~現代の論語ISO26000》
そのための判断軸が、国際標準化機構において2010年11月に発行された社会的責任に関する国際規格「ISO26000」です。
これは組織が社会的責任に配慮した活動を行う上での指針を示す、「社会的責任に関する手引き(ガイダンス)」です。この中には、社会的責任の原則として以下の7つが挙げられており、この7つを果たさなければ、企業は存続することを許されません。
《社会的責任の7つの原則》
①説明責任(アカウンタビリティ)②透明性 ③倫理的行動
④利害関係者(ステークホルダー)の利益の尊重
⑤法の支配の尊重 ⑥国際行動規範の尊重 ⑦人権の尊重
《ソーシャルメディア(SNS)のリスク》
インターネットによって情報の拡散力が格段に増した現代は、企業のリスク範囲が急激に拡大している時代です。一個人のソーシャルメディアによる「つぶやき」で、組織が存続の危機にさらされる、といった事態はその典型的な例です。異物混入、セクハラ・パワハラ、過重労働、不正取引など、組織が社会的責任に背く事案を抱えれば、その情報がただちに拡散し、業務遂行が不可能になります。
《部長に求められるリスクの知識・組織的予防策》
インソースの部長向け研修では、こうした背景を踏まえ、ISO26000をはじめとする、部長として知っておくべきリスクの知識(労務・ソーシャルメディア・訴訟など)や、組織的なリスク予防策の立て方を学んでいただきます。また、研修の中で自組織に想定されるリスクと対処を考え、明日からの実践につなげていただきます。
部長の業績拡大・業務改善
~経営環境によらず前年比130%の業績を出す
《130%の意味~「不連続な成長」の時代を生き残るために》
自組織の将来を常に案ずる経営者が「やっと安心」できる数字は「前年比130%」です。部長は経営の代行者として、この数字を達成することが求められます。「前年比130%」が困難な数字であることに疑う余地はなく、普通の人ならば、それを聞いて呆然としてしまうことでしょう。
「前年比130%」とは、「売上・利益3割増」「コスト3割減」を念頭に、仕事のやり方そのものから変えていかないと、まず達成できない数字です。 しかし、だからこそ部長は、意地とプライドをかけてそれを達成する必要があります。なぜなら、現代は環境激変の「不連続な成長」の時代であり、「今までと同じ」では、組織が成長し続け、生き残っていくことはできないからです。
《8割で現業を回し、2割で新しい事をやる》
業績拡大の前提となるのは、「まずは限られた資源で成果を出すこと」です。そのためにはまず、以下の2ステップを理解する必要があります。
【ステップ1:業務改善フェーズ】
業績拡大のため、既存業務を8割の資源(人や時間)でこなすことを目指す
【ステップ2:イノベーションフェーズ】
改善で得た2割の資源(人や時間)を使って3割の業績拡大を目指す
《人時生産性・ROE・ROI向上》
研修では、この2ステップを理解したうえで、人時生産性(従業員一人あたりの1時間の平均売上高)向上のポイントや、ROE(自己資本利益率)/ROI(投下資本利益率)による投資対効果の考え方を知り、実際の業績拡大を進めるうえでの道標としていただきます。
部長の新しい事・変革~年に一つは、全社にとって価値ある新しい事を生み出す
《「すべてが昨日と同じ」では消滅の危機》
経営者は、絶えず価値ある新しい何かを探しています。繰り返しになりますが、現在の「不連続な成長」の時代にあっては、どんな大企業であっても、「すべてが昨日と同じ」では消滅の危機にさらされてしまいます。よって、「価値ある新しい事」を最低でも年に一つは実現するのが部長の仕事です。
《部長の本質は人間の本能に逆らうこと》
とはいえ、「新しい事」に取り組むのは誰にとっても困難で、周囲の反対を避けて通ることはできません。イタリア・ルネサンス期の政治家マキャベリの「人間というものは、困難が少しでも予想される事業には、常に反対するものである(『君主論』)」という、言葉通りです。ゆえに、新しい、革新的なことには、できれば手をつけたくないというのが人間の本能です。しかし実は、それをやらねばならない立場であることに、部長の仕事の「本質」があります。すなわち、部長の本質とは「人間の本能に逆らうこと」です。
《「不連続な成長」の時代に部長がすべき自己研鑚》
「新しい事」を考えるにあたっては、日頃から、技術、芸術、人間の欲求に関する知識を深めておくことも大切です。それも、あえて嫌いなこと、興味のないことについては特に意識して自己研鑚すべきです。ここでも、部長は「人間の本能に逆ら」わねばなりません。なぜなら、「何故、自分がそれに興味がないのか、それを嫌いなのか」に、隠れた真実、新しい発見があるからです。「不連続な成長」の時代とは、「論理」だけではうまく立ち行かない時代でもあります。そうである以上、こうした取り組みが、今後より一層重要度を増していきます。
《バタフライ効果を見つけるのが部長》
価値ある新しい事を実現するうえで、部長がすべきことは、「バタフライ効果」を見つけることです。バタフライ効果とは、あたかも「蝶のはばたきが、地球の反対で嵐になってしまう」ように、「一見些細な出来事が、世の中に大きな影響を与える最初にきっかけになる」ことです。
現代は、まるでこのバタフライ効果が具現するかのように、小さなアイデアが短期間で巨大なビジネスに成長する時代です。部長には、部下の小さなアイディアを汲み取り、期待し、大きなビジネスにしようという意識と熱意を持つことが求められます。
研修では、上記のような、「新しい事」を実現するうえで部長が持つべき心構えとやるべきことをお伝えします。また、研修の中で「自組織のチャンス」や「5年後、10年後の不足」などを考え、新施策実現のヒントを得ていただきます。
部長の組織デザイン ~勝ち続けるための、計算された組織編成・人材育成を行う
《4つの要素をバランスした組織編成》
部長は部門の最高責任者として、最も大切な経営資源である「人材」を経営者から託されています。したがって、自部門の課題を踏まえ、最適な組織編成を行うことが部長の責務です。組織編成は、「①トラブルが起きない」「②実績が上がる」「③発想が出る」「④部下が育つ」の4要素をバランスさせることが基本になります。ここでまず押さえておくべきは、組織を変える「主目的は何か」を明確に認識し、それを軸にした編成を行う、ということです。
《情報共有がさかんになる組織編成》
研修では、上記の4要素を考えるうえでのヒントをお伝えします。例えば、「②実績が上がる」「③発想が出る」組織を作るポイントは、「情報共有」がうまくできる組織編成にすることです。情報は、唯一減らない経営資源であり、共有すればするほど得をするといっても過言ではありません。したがって、個々の能力が高いメンバーだけを集めて競い合わせるより、『情報共有がさかんになる』組み合わせにしたほうが、イノベーションが起こり、結果的に実績が上がりやすくなります。
《人を育てられる管理職の育成》
人材育成の面で部長に最も求められる役割は、「どうすれば部下を育成できるか」を、現場管理職に教えていくこと、つまり「人を育てられる管理職」を育てることです。管理職が対象であるとはいえ、新人や若手の育成と同じく、育成計画を立てることで、成長を促進させることができます。どの階層であっても、「見えていない」ものは、「見える」ようにしてあげる必要があるのは同様です。研修では、部下の課長の育成計画を作成するワークを通じて、育成計画を立てることの有効性を実感していただけます。
部長に求められる4つの仕事がわかるおすすめの研修がこちらです。
管理職研修~現代の部長に求められるマネジメント編(1日間)
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